主演の有村架純(C)朝日新聞社
主演の有村架純(C)朝日新聞社

 秋の連続ドラマが次々とスタートしたが、大苦戦しているのが「中学聖日記」(TBS系、火曜午後10時)。有村架純演じる中学校教師と男子生徒の“禁断の恋”を描くストーリーだが、視聴者のターゲット層でもあり、中学生の息子を抱える40代女性は違和感を覚え、むしろ有村を「敵」と見なす傾向があるようだ。

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 有村架純が演じる中学校教師の聖が、年上の婚約者と遠距離生活を送りながら、担任を務める3年1組の生徒である晶(岡田健史)にひかれていく……というストーリーで、原作はかわかみじゅんこ氏による同名漫画。
 
しかし、この設定に、ネット上では「気持ち悪い」「ありえない」などと、不満の声が噴出している。前クールでは“ぎぼむす”こと「義母と娘のブルース」が話題を呼んだ火曜午後10時枠だけに、なんとも痛々しい。

 この理由は何だろうか。上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は、女性教師の恋愛相手が男子中学生である設定への「無理やり感」と指摘する。

 TBSの番組ホームページでは、堂々と「禁断×純愛ヒューマンラブストーリー」と掲げているが、碓井教授は「今までにない、新しいことをやる。そんな話題を集めるために、テーマとして『中学生』を設定したように見えます。『女性教師が男子中学生に恋をする』ことで、視聴者が感じているのは、2次元だから成立する原作の世界を、実写で表現されたことによる違和感や嫌悪感なんじゃないでしょうか」と話す。

 実写化の違和感は恋愛の設定だけでなく、キャストにも及ぶ。晶役の岡田健史はこのドラマが初仕事となる正真正銘の新人なのだが、年齢は19歳。瞳に力があり、初恋の相手である晶に真っすぐに思いをぶつけるキャラクターは、初々しい演技にマッチしているが……。

「役者としてはいいと思うけど、中学生に見えない。大人っぽい中学生と呼ぶことにも、視聴者は無理やり感を覚えるでしょう」(碓井教授)

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