こうした専門家の指摘を鑑みると、加計学園が、見積もり価格を大幅にアップさせ、補助金を請求したのではないかという疑惑が浮上する。

 森友学園の籠池前理事長らが逮捕されたのも、国交省に小学校の建築費を過大に見積もって、補助金を多く受け取ったとされる詐欺容疑。それと同じ構図が浮かぶ。民進党幹部がいう。

「文書の全容を国会で審議すれば、疑惑がより鮮明になる。すぐにでも国会で安倍首相に問いただす機会をつくるべきだ」

 前出の黒川氏はこう話す。

「私もその文書を見たが、とても坪単価150万円はあり得ないとの専門家の話を聞いた。市民の税金を投入するなら、きちんとしたデータを公開することが必要だ。だが、今治市は住民説明会でもきちんと釈明できないのに、加計学園に96億円もの税金投入を即日で決めている。その真相が流出した設計図でわかってきた」

 今治市民の63%が加計学園の獣医学部新設に反対しているというデータもある。

 今治市に取材を申し込むと、「各社からの問い合わせに順番に対応している」と期限までに回答はなかった。

 加計学園は取材に対し、「担当者が夏季休業中なので対応できない」と話した。

 今後、黒川氏らは法的手段を視野に、この疑惑を追及していくという。

(ジャーナリスト・今西憲之)

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