誤った抗うつ薬の使用は、症状を悪化させかねない(※イメージ)
誤った抗うつ薬の使用は、症状を悪化させかねない(※イメージ)
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 何度も繰り返す、どの薬を試しても効かない――。治らないうつ病に苦しんでいたら、治療の前に「診断」を見直す必要があるかもしれない。うつ症状に伴う、ほかの病気の有無を調べることが重要だ。

 うつ病の薬物療法は、主に抗うつ薬が使用される。しかし、不安症やパーソナリティー障害を併発していたり、脳の病気や発達障害など別の病気だったりした場合、いくら抗うつ薬を飲んでも効果はない。

「一部ですが、よくならないからといって薬で解決しようとし、どんどん薬が増えて多剤併用になってしまうこともあります。こうした場合は、減薬します。認知行動療法をおこなうことで薬の数が減ります」(杏林大学病院の渡邊衡一郎医師)

 誤った抗うつ薬の使用は、症状を悪化させかねない。正しいうつ病タイプの診断に加え、重症度の診断も必要となる。

 重症度によって抗うつ薬の効果は異なる。日本うつ病学会の治療ガイドラインでは、中等度から重度のうつ病は、抗うつ薬による治療が推奨されている。

 しかし、軽度の場合は薬物療法よりも精神療法的なアプローチのほうが重視されている。東京女子医科大学東医療センターの山田和男医師はこう話す。

「臨床試験の結果から抗うつ薬は中等度以上に効果が高いことがわかっています。軽症患者に抗うつ薬が必要ないというのは誤りですが、軽度は精神療法的治療をしっかりやれば、薬物療法なしでも同じくらいの効果を示す場合があります」

 薬の種類によっても使い分けがある。現在日本で主に使用されている抗うつ薬の種類は、「三環系」「SSRI」「SNRI」「NaSSA」。

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