俳優二階堂ふみにかいどう・ふみ/1994年、沖縄県生まれ。2009年、「ガマの油」で映画デビュー。映画「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」(11年)で初主演。映画「ヒミズ」(12年)でベネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)。映画「蜜のあわれ」は4月1日、「オオカミ少女と黒王子」は5月28日、「ふきげんな過去」は6月25日、「SCOOP!」は今秋、「何者」は10月15日にそれぞれ公開予定(撮影/写真部・加藤夏子、スタイリング/二宮ちえ、ヘア&メイク/進藤郁子・林佐智子[SHISEIDO]、衣装協力/プリーツワンピース・Chika Kisada[エルバグース])
俳優
二階堂ふみ
にかいどう・ふみ/1994年、沖縄県生まれ。2009年、「ガマの油」で映画デビュー。映画「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」(11年)で初主演。映画「ヒミズ」(12年)でベネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)。映画「蜜のあわれ」は4月1日、「オオカミ少女と黒王子」は5月28日、「ふきげんな過去」は6月25日、「SCOOP!」は今秋、「何者」は10月15日にそれぞれ公開予定(撮影/写真部・加藤夏子、スタイリング/二宮ちえ、ヘア&メイク/進藤郁子・林佐智子[SHISEIDO]、衣装協力/プリーツワンピース・Chika Kisada[エルバグース])

 俳優の二階堂ふみさんと作家・林真理子さんが対談。4月1日公開予定の映画「蜜のあわれ」は室生犀星原作で、金魚から人間の姿に変貌する少女、赤子(あかこ)を演じた。その役に対する思い、これからやりたい役について語ってくれた。

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二階堂:現実でないものを演じるにあたって、どれだけ意味をもたせずに台詞をしゃべれるか……、難しい言葉をしゃべっているんだけど、意味がぜんぜんついてこない、言葉遊びに近いような感覚でやろうと思っていました。

林:赤子っていまどきの女の子が言わないような不思議なことを言うんだけど、二階堂さんがしゃべると言葉が陳腐にならなくて、この世のものじゃない感じがすごく出ていましたよ。「あたい」という一人称も、下品にならずにちょっとコケティッシュで。

二階堂:うれしいです。私、高峰秀子さんが日本の女優さんでいちばん好きなんですけど、往年の昭和の女優さんたちって、日本語がすごくきれいに聞こえるしゃべり方をするんですよね。「この国の空」のときに、日本語って本当に美しい言葉なんだと改めて感じたんです。だから私自身も、その美しさを伝えられるようなしゃべり方をしたいと思ったんです。

林:昭和の俳優さんって、何とも言えない独特の感じがありますよね。高峰秀子さんもそうですし、高峰三枝子さんのもっさりしたしゃべり方もいいですよね。

二階堂:確かに。「もっさり」という表現がしっくりきますね。

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