「たとえば金本阪神で恒例になってきたリレーが象徴的です。誰もが知っている運動会で流れる曲を流して場を盛り上げ、観客だけでなく選手たちも巻き込んで楽しませ、結果として、昨年までより厳しくなった練習を選手に楽しんでやらせて鍛えてます。ムードづくりがうまいですよ」(ベテラン記者)

 ただ、これはあくまでキャンプの評判。他球団のスコアラーに言わせれば「金本阪神は采配や選手起用など、どんな野球をするか?が未知数」とのことで、「話題性と勝ち負けは別」という声があるのも事実。

「阪神では外様の金本は組閣するとき、OBにも気を使ってバランスを考えた分、高代延博ヘッドコーチ、平田勝男チーフ兼守備走塁コーチ、矢野燿大作戦兼バッテリーコーチと船頭役が多く、それがネックになるかも、と言われてます」

 そんな阪神が楽天と練習試合した16日、両軍の選手の中でいちばん注目を集めていたのは、なんと楽天ルーキーのオコエ瑠偉外野手(18)。昨夏の甲子園での衝撃的な走塁の印象で、彼の名前は全国区なのだ。もっとも、そのオコエ君、守備と走塁は1軍レベルと言われるものの打撃の力不足は明らかで「いつ2軍落ちさせるか、がポイント」(前出ベテラン記者)らしい。プロ野球よ、大丈夫か?

(本誌取材班=松岡かすみ、牧野めぐみ、亀井洋志/黒田 朔、菅野朋子)

週刊朝日  2016年3月4日号