真田家14代当主・真田幸俊(撮影/写真部・加藤夏子)
真田家14代当主・真田幸俊(撮影/写真部・加藤夏子)

 戦国武将・真田幸村の血脈を受け継ぐ真田家14代当主の真田幸俊(ゆきとし)さんは、縁のある真田神社を訪れた際に寿命が縮む思いをしたという。

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 真田家の発祥の地は真田(現・長野県上田市真田町)である。この秋の連休にこの地を訪れた。

 真田家は元和8(1622)年に松代藩に転封されたが、明治になって真田一族の遺徳を偲び、真田神社が建立された。

 一方、真田家は幸隆の代より山家神社を氏神として信仰し、上田城落成後は鬼門除けの神として崇拝していた。その縁があり、真田神社は大正8(1919)年に山家神社に遷された。その前年には祖父12代幸治が山家神社を参拝し、植樹をした。

 それから約100年たち、現子孫にも植樹をしてもらいたいとの話があり、山家神社および真田神社を参拝することになった。

 植樹祭は秋晴れの中、執り行われた。高野槙を真田神社のそばに植樹した。

 山家神社では祖父が植樹の際に使った鍬を、約100年大切に保管してくださっていた。保存状態もよく、当日はその鍬を使って植樹を行った。

 祖父が植樹した杉の木も、立派な大木に育っていた。祖父の足跡を非常に大切にしていただいて感慨無量であった。さらに松代から奉納した矢も見せていただいた。真田家と山家神社の関係の深さをうかがわせるものであった。

 また真田家は、その祖先海野氏の代から本海野(長野県東御市)の白鳥神社も氏神として崇めてきた。

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