野方十八番(おはこ)冷やしそば(850円)(撮影/山本倫子)
野方
十八番
(おはこ)
冷やしそば(850円)
(撮影/山本倫子)

 冷やし中華といえば、錦糸卵やハムなどの彩り豊かな具材の“富士山盛り”。しかし、千軒以上の冷やし中華を食べ歩いた林家正蔵さん(52)が本誌のために厳選した4皿に派手さはない。

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「今回選んだものは“涼を食す”ためのもの。食欲がなくて涼を取るために食べるんじゃない。見た目より実、胃袋が欲する冷やし中華もありでしょう!」

 噺家として、四季の変化や旬を大事にしている。夏が来れば、冷やし中華が恋しくなる。

「でも、冬も外せないんだよね。やっぱり一年中食べたいね」

◇冷やしそば(850円)
十八番(おはこ・野方)
東京都中野区大和町2‐2‐2
営:11:30~15:00、17:00~20:30
休:水、第3火
提供期間:GW~9月末

 店主の片岡純二さん(61)が40年以上、一人で切り盛り。「特別な材料は使っていないし、こだわりもない」と話すが、朝6時半から、孟宗竹を使って手打ち麺を仕込み、タレも独自に配合。どこまでも丁寧で職人気質が皿に宿る。

林家正蔵のPoint!
クラゲによって手打ち麺のうまさが際立つ。バラ風味のお酒「バラサワー」と、冷やしそばのタレがすごく合う。

◇醋滷麺(ツールーメン・2000円/税サ別)
山の上ホテル 新北京(御茶ノ水)
東京都千代田区神田駿河台1‐1
営:11:00~15:00(LO)、17:00~21:00(LO)(土日祝は15:00~)
休: 無休
提供期間:通年(ランチ、ディナー)

 新橋の名店「王府(ワンフー)」の流れをくみ、35年前のオープン時から不変かつ人気の独自メニュー。塩味ベースのスープに豚肉、エビ、ニラ、酢が入り、さっぱりとした仕上がり。麺は1.5人前でボリュームたっぷり。

林家正蔵のPoint!
かつて衝撃を受けた「王府」の味に、ここで感動の再会! 流行の冷やしラーメンより、こちらをご賞味あれ!

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