Cは「基礎2科目+専門1科目」だが、「物理基礎と化学基礎と物理」というように基礎と専門の重複が可能なところと、認められないところがある。重複が可能な国公立大学は29校だけで、ほとんどは重複不可。ただしこれらのうち理系はCかDを選べるので、Dで受ければ専門2科目で済むのだが、琉球大農学部だけはCのみで重複不可なので、3種類の科目が必要だ。

 看護学科はさらに複雑だ。「AまたはB」30校、「AまたはD」8校、「CまたはD」7校、「B」7校、「D」23校とばらばら。北大、京大、名大などの旧帝大や本大、鹿児島大など九州の大学は専門2科目のDを指定している。今までは理科は1科目で受験できたのに、2科目必要になった大学もある。

 河合塾教育情報部部長の近藤治氏はこう助言する。

「本来は行きたい大学を決めて受験科目を決めるものですが、センター試験の点数によって志望校を変える場合を考えて、受験する理科の科目で受けられる大学をあらかじめリストアップしておく必要があります」

 これは、なにも看護学科に限ったことではない。

「センター試験で点がとれなかったとき、目標ラインの低い大学に変更して出願しますが、その大学に指定された科目を受験していない場合には失格になります」(石原氏)

 センター試験が振るわなかったからと志望校を変更しようにも、第1志望と同じパターンを指定している大学でないと受けられない。センター試験出願時にあらかじめ、どのパターンならばどの大学・学部を受けられるか、併願可能な大学を確認しておく必要がある。

 科目選択ミスで失格にならないためにも、出願前の確認は入念にしておきたい。だが万一に備えて最終確認の機会がある。10月27日までに届く確認はがきだ。はがきに記載されている登録内容が正しいかどうかを確認し、変更する場合は、11月4日(消印有効)までに返信すれば訂正できる。

◇2015年センター試験は理科の選択に注意!
選択パターン  出題科目と科目数
A  物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目
B  物理、化学、生物、地学から1科目
C  物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目および物理、化学、生物、地学から1科目
D  物理、化学、生物、地学から2科目

週刊朝日  2014年10月10日号より抜粋