開催を目前に控えるサッカーのブラジルワールドカップ(W杯)。W杯では国民の消費心理なども上向きになることから、景気や株価の上昇が期待できそうだ。

 5月7日の日経平均は、安倍政権が誕生して以来、昨年の水準と比べて初めてマイナス圏に沈んでしまった。もはや昨年のような勢いはないが、日本代表は活躍次第では強力な助っ人になる可能性が出てきたといえる。警戒されている消費増税の景気への悪影響を払拭できるかもしれない。

「基本的には、消費増税による落ち込みは一時的なもので、夏のボーナスも多くの企業でプラスになると考えています。ただ、景気の持ち直しが確実なものになるかどうかは、W杯の勝敗次第と言っても過言ではないでしょう」(三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉理事)

 日本代表の活躍を信じるならば、上昇しそうな銘柄を先回りして買っておくのも手だ。大きく上昇しそうな銘柄はあるのか。専門家に聞いてみた。マネー評論家の新田ヒカルさんは、

「店員がユニホームを着ているファミリーマートのように、W杯やサッカーとの関係性がわかりやすい企業は、勝敗で株価が反応しやすいですよ」

 とアドバイスする。

 まずはサッカーのユニホームやシューズを手がけるアシックス、ミズノ、デサントは注目だ。日本代表のオフィシャルスポンサーのキリン、サポート企業のファミリーマート、コナミ、日本航空(JAL)、ソニーも、日本中で応援熱が高まるにつれて株価が上がるタイミングがあるかもしれない。

 新田さんの本命は、ミズノ。デサントも捨てがたいという。

「ミズノは、本田圭佑選手のサッカーシューズを手がけるなど話題が豊富です」

 一方、デサントは、より短期に儲けやすい銘柄だという。

「上場している株数が少ないため、少し買いが入っただけでも株価は上昇しやすいんです。このため、短期に儲けたい個人投資家が好んで売買します。ソニーも経営状況が悪くて株価が安定しませんが、動きが激しいため、個人投資家は好きでしょう」

 つまり、狙い目は、少しの売買で株価が動きやすい銘柄だという。

週刊朝日  2014年5月23日号より抜粋