43歳ピーコ ♀ニシローランドゴリラ上野動物園/東京頭から布をかぶっているのがトレードマーク。視力がよく、奇麗な色や柄を好み、夏は麻布を水に浸してからかぶる。群れる習性を嫌い、ゴリラだが一匹狼の傾向がある。成人病予防のため、果物から野菜中心の食生活になった。毛の色が薄く変色してきたのもご愛嬌平均寿命35年(撮影/写真部・東川哲也)
43歳
ピーコ ♀
ニシローランドゴリラ
上野動物園/東京

頭から布をかぶっているのがトレードマーク。視力がよく、奇麗な色や柄を好み、夏は麻布を水に浸してからかぶる。群れる習性を嫌い、ゴリラだが一匹狼の傾向がある。成人病予防のため、果物から野菜中心の食生活になった。毛の色が薄く変色してきたのもご愛嬌
平均寿命35年(撮影/写真部・東川哲也)
66歳はな子 ♀アジアゾウ井の頭自然文化園/東京飼育員との触れ合いが書籍やドラマになった有名なゾウ。そしゃくする筋肉が衰え、目の上に大きなくぼみができている。現在、残る歯は1本。それでもバナナや細切れにしたキャベツなど、1日に100キロを平らげる。おにぎりも大好き。トシをとって少し気むずかしくなったとも平均寿命60年(撮影/写真部・東川哲也)
66歳
はな子 ♀
アジアゾウ
井の頭自然文化園/東京

飼育員との触れ合いが書籍やドラマになった有名なゾウ。そしゃくする筋肉が衰え、目の上に大きなくぼみができている。現在、残る歯は1本。それでもバナナや細切れにしたキャベツなど、1日に100キロを平らげる。おにぎりも大好き。トシをとって少し気むずかしくなったとも
平均寿命60年(撮影/写真部・東川哲也)

 人間に限ったことではない「高齢化」。動物園を訪れると、ご長寿動物には共通点があった。

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 おぼつかない足元に、ゆっくりした動き。加えて体毛の色は変わり、白内障を患い、サプリメントを常に飲む。たとえ動物であっても、どこかで見たことがあるような……。人間の深いシワやシミ、体の震えなどと同様、長く生きてきたその“証し”に慈しみの念すら湧く。赤ちゃん動物にはない“胸キュン”だ。

「研究が進んで餌や飼育環境が良くなって長生きになり、さらに研究が進む。その成果のひとつが動物の高齢化です」と説明するのは、上野動物園教育普及係の井内岳志さん。餌の工夫など動物園側の苦労は絶えないが、高齢の動物ほど人気がある。

 高齢の動物には、食欲旺盛であったり面倒見がよかったり、大らかで怒らなかったりという共通点があった。どっしり構えたオトナの余裕だ。メスが大半を占めるのは、偶然か。

 ちなみに園内の「長寿動物」は、日本動物園水族館協会に報告されているだけでも700を超える。

週刊朝日  2013年12月13日号