「普通の妻」の不倫の恋を描いたドラマ「昼顔」が好調だ。しかしその一方で、視聴者からは賛否両論あるようだ。

「昼顔」は視聴率が15%を超え、録画や配信による視聴を含めると、このシーズンのドラマのなかでも好調だ。

 ホームページで、不倫についてのアンケートを取っている。「不倫は絶対許せない!」かどうかを聞いた質問では、10万件以上の回答があり、67%が「そう思わない」。「身近に不倫している(したことがある)人がいる」のは70%、「パートナー以外の異性にときめいたことがある」人は実に80%にのぼる。

「昼顔」担当プロデューサーの三竿玲子さんがドラマで描きたかったのは、背徳をテーマにした「大人の恋愛」と、感情そのままに相手を求める「子どもっぽさ」の両面だという。

「固定電話のころと比べると、メールやSNSがある今はすれ違いも鉢合わせも起こりにくい。不倫はドラマチックになる題材なのです」

 三竿さんは以前、テレビの情報番組で「“昼顔妻”が増えている」という特集を見て衝撃を受けた。カトリーヌ・ドヌーブが主演した1967年の仏伊合作映画「昼顔」のヒロインのように、夫がいながら愛人に夢中になる妻たちだ。いわば「モンスター妻」だと思っていた。

 ところが、そうでもないらしい。人づてやネットで見聞きすると、いわゆる「普通の妻」のようだった。

「すぐそこに、あなたのそばにいる人の不倫は余計に怖いし、リアル」(三竿さん)

 ヒロインには清純派の印象が強い上戸彩さんを起用。派手でも奔放でもないのにダブル不倫に身をやつす人妻を演じている。相手も朴訥(ぼくとつ)な男性で、日常のハプニングから不倫が始まる。

「視聴者からは賛否両論の感想が寄せられています。不倫を助長するような内容はよくないという声もあって、当然だと思います。上戸さんと一緒に(不倫反対の声に)『安心ですね』と話していました」

AERA 2014年9月22日号より抜粋