かつて女性にとって「カラダを売る」という行為は、金銭的救済を得るための最終手段と見られていた。しかし現在、それは非正規で働く貧困女性の「副業」として一般化しつつあるという。本書は、性風俗やアダルトビデオ、売春などへ身を投じた女性たちへの取材を軸に、各種性風俗の採用偏差値や推定月収といった数値を示しながら現代の「セックス市場」を分析したものだ。
 雇用の悪化、AV女優のタレント化、情報化(インターネットの高収入求人サイトが、それまでセックス市場と接点を持ち得なかった層を掘り起こした)など様々な要因が重なり、市場参入のハードルはぐっと下がった。だが、志望者が増えれば競争は激化する。風俗店では応募女性の7割が不採用。AV女優で継続的に仕事を貰えているのは全体の2割、全応募者の3%程度だという。
 容姿スペックの低い女性は安く買い叩かれ、いつまでも貧困から抜け出せない。彼女らを通して見えるのは、変わりゆく日本社会の姿であり、変化に気づけない者はどこまでも堕ちていくというシビアな現実だ。

週刊朝日 2013年4月12日号