では、その上でどうしたらいいのか。うっかり忘れてしまうことを防ぐには、必ず行うことや、それがなかったら次の行動に移れないというものごとと関係づけるのがポイントです。たとえば、子どもが乗るチャイルドシートの横に、会社のかばんを必ず置くようにするとよいでしょう。預けるのを忘れるという失敗を犯したとしても、会社に向かう最後のタイミングで、子どもの存在に気づくことができます。ここで大切なのは、子どもを乗せたときだけでなく、乗せていないときも、必ずかばんをチャイルドシートの横に置くように習慣化することです。子どもを乗せたときだけのルールとすると、それ自体を忘れる可能性があります。

 私自身もこの方法を日常で取り入れています。たとえば研究室に傘を何度も忘れることがあったので、ドアの取っ手にかけておくようにしました。ドアからたった1メートル離れた傘立てでは忘れますが、必ず使う取っ手では忘れません。

 そして、他の人の目を入れることも効果的です。「保育園の送り、大丈夫だった?」といった夫婦間のLINEなどのやり取りを習慣化させれば、預けることを忘れていたとしても気づけるきっかけになり、重大な事故を避けられるかもしれません。

■非難するのみでは解決しない

 最近は、家庭の車だけでなく通園バスでの置き去り事故も問題になっていますので、ハード面での安全装置も開発されてきています。取り入れていくべきですが、設備を強化すると油断して、人の注意力が下がるのは往々にしてあることです。二重三重に対策を練る必要があります。

 こうした痛ましい事故が起きると、責任追及に目がいきがちです。非難するのみでは事故は繰り返されます。大切なのは事故の防止を考えることです。まずはどこの家庭にも起こりうるのだと認識し、できる防止策を話し合うこと。意識して具体的な対策を練ることが重要です。

(構成/AERA dot.編集部・市川綾子)

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