また、自民党の閣僚経験者からは、
「副大臣、政務官の人事も注目だ。選ばれるということは、旧統一教会との関係がない、クリーンだというイメージになる。当選回数などで、就任が確実視されても名前がない議員は、旧統一教会と関係ありだろう。今後の人事にも響いてくる」
との指摘もある。
旧統一教会関係だけでも頭を抱える問題だが、実は自民党はもう一つ、隠れた難題がある。
東京五輪・パラリンピック組織委員会の元理事の高橋治之氏の会社が、紳士服大手「AOKIホールディングス」側から多額の資金提供を受けたとされ、東京地検が捜査している事件。
高橋氏は、電通の元役員で、東京五輪・パラリンピックの招致や、スポンサーの選定などに大きな影響力を有していたのではないかと、みられている。
そこで、微妙なのが遠藤利明選挙対策委員長だ。
「遠藤選対委員長は、党三役の総務会長へ、との声も強い。しかし、遠藤氏は五輪担当相で、五輪の組織委員会副会長という要職にあった。高橋氏の事件がいつ弾けるかわからない状態で、岸田首相がそこをどう考えるかですね」
と自民党の閣僚経験者が語る。東京地検特捜部がすでに強制捜査に着手しているが、逮捕には至っていない。「高橋氏の背後にバッジ(議員)がいるから慎重に進めている」との情報も永田町には流れているという。
「旧統一教会」という前門の虎、「五輪疑惑」という後門の狼。岸田首相は、奇策の前倒し内閣改造で乗り切れるのか?
(AERA dot.編集部・今西憲之)