写真はイメージ(GettyImages)
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 東京都が16日、風俗店で働いていた28歳の女性養護教諭を懲戒免職処分としたことを発表して波紋を呼んでいる。

【写真】今年3月に児童買春とポルノ販売で逮捕された小学校の元校長

 報道によると、女性養護教諭は公立中学校や多摩地域の小学校に勤務しながら、風俗店で今年4月まで約1年間働いていたことが匿名の情報提供で発覚した。都の聞き取りに対して、女性養護教諭は「実家を離れて都内で暮らすお金を貯めたかった」と話しているという。

 都内の小学校に勤務する30代の男性教諭は複雑な表情を浮かべる。

副業がダメなのか、教育に携わる人間として風俗店で働いていたのがダメだったのか理由は分からないが、懲戒免職は厳しすぎると個人的に感じました。注意勧告、停職処分で良かったのではないかと。懲戒免職だと教員免許が失効する。性犯罪ではなく、経済的な事情があったのだろうし、犯した過ちはそこまで重いのかと…。次の仕事を探すのも大変でしょう。女性の今後の人生が心配です」

 SNS、ネット上でも女性に対して同情的なコメントが多い。

「兼業しただけで誰も被害者はいないのに懲戒免職。教諭が痴漢や飲酒運転などでは懲戒免職なんてきかないけど。法律より規則のほうが大切なのかな」、「厳しすぎるとは思うし、なぜ犯罪を犯した者が懲戒免職にならず依願退職が認められるケースもあるのに、性産業とはいえ副業が懲戒免職になるのかという違和感はある」

 各都道府県に設置された教育委員会の処分については、「世間の感覚とズレている」という指摘が以前から多く見られる。

 長野県教育委員会が今月12日、女性の衣服に体液を付着させたとして器物損壊の疑いで今年7月に逮捕された53歳の男性教諭に停職1カ月の処分を発表した際は「短すぎる」「おかしい」といった批判の声が殺到した。男性教諭は依願退職を申し出たという。また、群馬県教育委員会は今月10日、56歳の男性教諭が酒気帯び状態で出勤を繰り返していたとして停職1カ月の処分を発表。「自分は現職教員ですが、同業の自分から見ても処分が甘すぎると思います。校長からの業務命令に従わないことも処分の対象ですし、なによりモラルとして、生徒や保護者からの信用失墜にも値します」など批判の声が相次いだ。

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