他のポジションでは高卒の捕手、外野手も手薄だ。

　捕手は伊藤光、戸柱恭孝、嶺井博希と1軍クラスは12球団の中でもトップクラスの陣容だが、若い世代の捕手がほとんどいない。高校生を指名して、次世代へ向けたチーム作りが必要になりそうだ。候補者を挙げると、スローイングに定評のある山瀬慎之助（星稜）、バッティングのいい東妻純平（智弁和歌山）らになるだろう。外野手では井上広大（履正社）、木下元秀（敦賀気比）など。

　また、若い世代の左腕投手が不足しているので、こちらも候補に挙げておきたい。やや評価が下がりつつある地元・横浜高の及川雅貴、井上温大（前橋商）はゲームを作るタイプの左腕として、候補に入れたい。（文・氏原英明）

●プロフィール
氏原英明
1977年、サンパウロ生まれ奈良育ち。地方新聞社勤務を経て、03年からフリーライター。夏の甲子園は03年から大会をすべて観戦取材するなど、アマチュア野球に精通。現在のプロ野球選手のアマチュア時代を知る強さを生かし、プロの現場でも成長ぶりを追いかける。一方、最近では個性がどう生かされているかをプロアマを問わず観戦の主眼に置いている。近著には「甲子園という病」 （新潮新書）がある。