祖母宅の近所の住民はこう話す。

「日下部容疑者がこっちにやってきたのは、1年も経っていない。昨年夏頃からベランダで『ワー』とか『コラ』と吠えるように叫んでいた。ベランダからロケット花火や爆竹を鳴らして、意味不明なことを叫んでいた。普段は静かで挨拶もするのですが、スイッチが入るとどうにもできないようで、祖母らが困った様子で頭を下げていた」

 動機について「死刑制度に対する報復」と供述した日下部容疑者。思想的な背景について前出の同級生はこう話す。

「ニュースを聞いてビックリした。オウム信者だ、テロとか言われているが、そんな政治的な思想があるようなヤツじゃない。宗教にのめり込んだなんて聞いたこともない」

 捜査関係者はこう話す。

「オウム信者と言われているが、確認は取れていない。繰り返し言ってるのは、死刑制度廃止しろ、死刑反対のためにテロをしたなど理屈にならないことを言ってるそうだ。大学の法学部に行きたかったようだが、挫折して引きこもっていたらしい」

“元旦テロ”の本当の目的は何だったのか……。(今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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