日本では、基本的に帝王切開をするのは医学的な必要がある場合だと思いますし、母乳とミルクに関しても、母乳希望だけれど事情があってミルクというお母さんも多いです。帝王切開もミルクも素晴らしいものですし、出産方法や栄養方法はそれぞれの家庭の事情があって決まるものなので、ことさらに経膣分娩や母乳の良さを訴える必要性はないかもしれません。しかしその上で、母乳をいつまであげるか迷っているお母さんにとって、このような研究が後押しになる部分もあるのではないかと思います。

 また、現在は「善玉菌」として乳酸菌やビフィズス菌などの菌の種類が取り上げられ、食品等に利用されています。しかし腸内細菌が集団としてどういう機能を果たしているのかが明らかになってくると、機能性食品の内容も変わってくるのかもしれません。

◯森田麻里子(もりた・まりこ)
1987年生まれ。東京都出身。医師。2012年東京大学医学部医学科卒業。12年亀田総合病院にて初期研修を経て14年仙台厚生病院麻酔科。16年南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。17年3月に第一子を出産。小児睡眠コンサルタント。Child Health Laboratory代表

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森田麻里子

森田麻里子

森田麻里子(もりた・まりこ)/1987年生まれ。東京都出身。医師。2012年東京大学医学部医学科卒業。12年亀田総合病院にて初期研修を経て14年仙台厚生病院麻酔科。16年南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。17年3月に第一子を出産し、19年9月より昭和大学病院附属東病院睡眠医療センターにて非常勤勤務。小児睡眠コンサルタント。Child Health Laboratory代表

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