このほか、伊調と同じ17日に、48kg級で世界3連覇中の登坂絵莉と、吉田と同じ一志ジュニア教室出身の69kg級・土性沙羅が出場。18日には、元世界女王の山本美憂を破った63kg級・川井梨紗子と、五輪のためにわずか半年足らずで2階級、10キロ以上の増量をした75kg級・渡利璃穏が登場する。今回、初代表となった彼女たちは、4年後の東京五輪も射程に入る新世代の選手たちだ。

 なかでも、すでに世界一の座を3年間守り続けている登坂は、新世代の旗手として金メダル獲得の期待が高い。同階級のライバルの筆頭は、北京五輪で銅、ロンドン五輪で銀メダルを獲得しているベテラン、マリア・スタドニク(アゼルバイジャン)。3度目の五輪となる今回こそは金メダルをと、その決意も固く、調子も上げてきている。試合展開の組み立てが巧みな登坂が、今回も落ち着いて対処できるかが勝敗の行方を決めそうだ。

 土性、川井、渡利は今回の代表選手の中で、まだ世界一の座を体験していない。さぞかし大きな緊張に見舞われているのかと思いきや、リオまでの長い移動も、選手村での生活も、緊張しつつも五輪独特の雰囲気を楽しんでいるようだ。今回は新世代の彼女たちの活躍からも、目が離せない。(文・横森綾)