日本で初めて「GM」という名の職責を置いたのは、95年のロッテだ。元西武監督の広岡達朗氏が就任した。それまでは、西武の根本陸夫氏らが、管理部長や球団代表、編成部長などの名で、同様の業務をこなしていた。広岡GMはバレンタイン監督を招聘。同年には2位とチーム成績を浮上させたが、同監督との確執が表面化し、わずか1年で監督は解任された。

 その後もオリックス阪神が中村勝広氏、楽天がキーナート氏と三村敏之氏、ソフトバンクが王貞治監督を兼任で起用。日本ハムは高田繁氏(現在DeNAでGM)と山田正雄氏、吉村浩氏ら、巨人も清武英利氏、原沢敦氏、堤辰佳氏らを同職に置いた。現在GMがいるのは日本ハム、巨人、DeNA、中日。他球団は球団本部長、SDなどが、編成面という近い職責を担っている。

 GM制度は元々、米大リーグ球団が置いていた。オーナーから年俸、契約金等の予算総額を託され、いかに監督、コーチ、選手の編成を行うかが、腕の見せどころだ。近年は選手発掘や戦術にデータ分析が重要視され、野球界以外からの転職組もいる。短期間で結果を求められる監督よりも、中長期的な視点が求められることが一般的だ。ただし、米国では監督同様、シーズン途中の解任もある。この点が、日米での大きな差異。今後、どのようなGM制が、日本で定着するのか。結果や観客動員数も絡み、模索は続く。(文=日刊スポーツ・斎藤直樹)