引退セレモニーで熱唱する歌手・長渕剛(左)と清原和博容疑者。このユニホームが神戸大学医学部附属病院に寄贈された(c)朝日新聞社
引退セレモニーで熱唱する歌手・長渕剛(左)と清原和博容疑者。このユニホームが神戸大学医学部附属病院に寄贈された(c)朝日新聞社

 木田優男、木佐貫洋、そして清原和博――皆、巨人軍からオリックスへ移籍した選手たちだ。彼らがオリックスのユニホームを着ると決まったとき、本拠地がある神戸市民は感謝の気持ちを持って迎え入れた。

「どの選手も、東京で、ジャイアンツで活躍していた大スターがわざわざ神戸に来てくれた。“ありがとう”という感謝の気持ちでいっぱいやった」(長年、オリックスを応援する40代の神戸市民男性)

 巨人軍からオリックスへ移籍した清原和博容疑者(48)が2月2日、覚せい剤取締法違反(所持)の容疑で警視庁に逮捕された。覚せい剤所持のみならず、その使用についても認めているという。

 清原容疑者がオリックスに在籍したのは2006年から2008年の3年間と短い。だが、オリックス時代を示す爪痕が意外なところに残されていた。

 JR神戸駅から北側へ歩くこと約15分の高台に位置する神戸大学医学部附属病院には、清原容疑者のサインが入った、引退試合で着用したオリックス時代のユニホームと帽子が保管されている。

「現在は院内の改装工事のため一般展示は行っておりません。それまでは病院のロビーにガラスケースに入れて展示していました。今後の展示については院内の改装工事終了後、検討します」(神戸大学医学部附属病院)

 清原容疑者は1996年のオフに、西武から、憧れの巨人軍にFA移籍したが、05年のオフには、左膝の故障などが原因で戦力外通告を受けてしまう。引退危機に追い込まれた清原容疑者に手を差し伸べたのが、オリックスを率いた、名将・仰木彬氏(享年70歳)だった。仰木氏に「お前の花道は俺が作ってやる」と何度も説得され、清原容疑者はオリックス入団を決意した。

 過去の栄光を捨て、再起を期すべく入団したオリックスだったが、またも膝の故障に悩まされる。07年のキャンプ中に左膝を痛め戦線離脱し、清原容疑者は膝を手術、リハビリを行った。この時の入院先が神戸大学医学部附属病院だった。

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