所ジョージ
所ジョージ

 所ジョージ、60歳。現在、ゴールデンタイムの5つの番組で司会を務める。その一方で遊びの天才と称され、仕事もオフも「楽しむこと」をことモットーとしている。

 人生を謳歌するその秘訣を、BS朝日「ザ・インタビュー~トップランナーの肖像~」(4月12日、18時~)が、あますところなく解き明かしていく。所の仕事場兼遊び場「世田谷ベース」がインタビュー場所。聞き役の月刊「ゲーテ」編集長・舘野晴彦のテンポよさが、所の真髄を引き出していく。

「年取るのは嫌じゃなくて、いま面白いんだもん。皺がないのがいいんだとしたら、じゃあタコがきれいなのかよって話(笑)」

 と、冒頭からいきなりクギ付けにさせられる軽妙洒脱なトーク。続けてこうも語る。

「優先するのは、その時の一番面白いこと。目標はない。何かをやった時に『これが目標だ』と」

 飄々としているが、ここに所流の価値基準、人生の楽しみ方の極意がある。番組中「面白い」という言葉が何度出てくることか。ガレージには愛車が並び、2階にはラジコンやフィギュア、プラモデルなど数え切れないほどのおもちゃ。面白がって好きなことをやる。だから、出演する番組でも「ゲストの人が(楽しい)遠足に来た感じで、そのまま帰っちゃう」ような気持ちで司会を務めているという。

 スキー場にはスキー板を持参せず、レンタルもしてはいけない。さて、どうするか。滑り終わったおじさんに「すみません、ちょっとだけスキー板、貸してもらえませんか」と頼むなど、工夫しながら楽しみに変換していく。ゴルフに行くにも、クラブを何本かわざと持参しないでラウンドするという。「面白いでしょ」と笑う思考の背景には、予定調和ではなく、ドラマチックな展開に作り出していく姿勢が常にある。

 お金をかけなくても、日々を楽しく過ごすことができる。面白がろうとすれば、何だって面白い。これが所の持論である。輝く目、生き生きとした話しぶり。どんなものにも興味を示す素顔の所に、学ぶものは多くありそうだ。人とは違う発想とアプローチの仕方、ここに人生を面白がるコツがある。日常を楽しむヒントが満載の番組、肩の力を抜いてご覧になってはいかがだろう。