手ブレ補正機構つき低価格高倍率ズーム

 APS-C機用の18~200mmの高倍率ズームがリニューアル。新生18~200mmの目玉は、VC(手ブレ補正機構)を搭載していることだ。今時、手ブレ補正機構を搭載しない前モデルがロングセラーだったのは、手頃な価格が理由の一つだったが、新モデルでも踏襲しており、標準価格は税別で3万6000円と破格値。秋の運動会シーズンに合わせて人気が出そうだ。特に普段はあまり撮影しないお母さんは、現在主流の望遠端300mm超のズームレンズよりも扱いやすいはずだ。
 仕様は前モデルとほとんど変わらないが、レンズ構成が増えて手ブレ補正ユニットを搭載したにもかかわらず、5gの軽量化に成功している。携帯性がよいので、常用のほか、レンズ1本で済ませたい旅のお供や、イザという時のバックアップレンズとしても頼もしい。



AFの駆動音が思いのほか静か。高倍率ズームのため開放絞りは暗めだがようやく搭載された手ブレ補正機構と、高感度で撮影守備範囲は広がるだろう。望遠端なら背景を大きくぼかすこともたやすい。ハイアマユーザーでも予備レンズとしてカメラバッグに忍ばせておくと重宝するだろう●190mm時・キヤノン EOS 7D MarkII・絞り優先AE(絞りf6.3・125分の1秒・+1補正)・ISO500・AWB・RAW
AFの駆動音が思いのほか静か。高倍率ズームのため開放絞りは暗めだがようやく搭載された手ブレ補正機構と、高感度で撮影守備範囲は広がるだろう。望遠端なら背景を大きくぼかすこともたやすい。ハイアマユーザーでも予備レンズとしてカメラバッグに忍ばせておくと重宝するだろう●190mm時・キヤノン EOS 7D MarkII・絞り優先AE(絞りf6.3・125分の1秒・+1補正)・ISO500・AWB・RAW


デザイン
他の新製品レンズ同様にタングステンシルバーのリングをワンポイントに配し、高品位な梨子地ブラック塗装もあいまって質感は上々だ。広めのズームリングのラバーも指がかりがよい

使用感・操作感
前モデルと比べ望遠端の最短撮影距離が5㌢伸びたのは残念。鏡筒はテレ端でほぼ2倍の長さに伸びる。ズームロックは鏡筒の自重落下を防ぐためだけなので焦点距離200mm位置でのみ可能

描写性
ものすごくシャープということではないが、安価なレンズと侮れないくらいの描写力は有しているので安心して使える。絞り開放時の周辺光量不足は一般的なレベルで、2段も絞れば解消する

◆ 宇佐見 健


* * *
●焦点距離・F値:18~200mm・F3.5~5.6●レンズ構成:14群16枚(異常低分散レンズ1枚・複合非球面レンズ1枚)●最短撮影距離:35mm時:0.77m、180mm時:0.49m、18mmと200mm時:0.5m●最大撮影倍率:1:4(200mm時)●画角:75゜33′~7゜59′●フィルター径:Φ62mm●マウント:ニコン用、キヤノン用●大きさ・重さ:Φ75×96.6mm・400g(キヤノン用)●価格:税別3万6000円(実売3万2930円)