クリエイターごとに設定される「マイページ」の画面。何枚売れたのかすぐわかるようになっている
クリエイターごとに設定される「マイページ」の画面。何枚売れたのかすぐわかるようになっている
自分がアップロードした写真の一覧も「マイページ」で確認できる。売れた枚数、アクセス数も確認できる。赤字で「販売NG」とあるのは、審査で却下されたもの
自分がアップロードした写真の一覧も「マイページ」で確認できる。売れた枚数、アクセス数も確認できる。赤字で「販売NG」とあるのは、審査で却下されたもの
初めて売れた「ベトナムコーヒー」の写真。ピクスタ用に撮ったのではなく、ただの観光旅行の記念スナップが「換金」できた
初めて売れた「ベトナムコーヒー」の写真。ピクスタ用に撮ったのではなく、ただの観光旅行の記念スナップが「換金」できた
セミナーのモデル写真もアップ。後ろ姿の撮影というアイデアはよかったつもりだが、右端にセットが写り込んでいてNG
セミナーのモデル写真もアップ。後ろ姿の撮影というアイデアはよかったつもりだが、右端にセットが写り込んでいてNG

 アマチュアが撮影した写真を有料配信するサービス、ストックフォトが話題だ。『アサヒカメラ 6月号』で、インターネットを利用して急速に売り上げを伸ばしている会社、PIXTA(ピクスタ)で、記者が実際に写真を売ってみた。その結果は……?

■自分のストックに実はお宝がある?

 ピクスタにクリエイター登録をして、最初に審査に提出できるのは10枚に限られている。アップできるのは一定期間ごとで、限度枚数は販売実績などによって増えていく(増えない場合もある)。

 どんな写真がいいのか。ピクスタのコンテンツ部部長である岡洋介さんにヒントを聞くと、「ニュースで動きそうなもの」「季節感のあるもの」を挙げた。

 ニュースといっても殺人事件とかではなく、経済ニュースだ。そこでよく新聞に登場していた「マイナス金利」を考えることにした。といってもマイナス金利のような抽象的なものを写真に撮ることは難しい。具体的にマイナス金利で儲かりそうな会社はどこか。ネットで経済ニュースを探していくと、参考になりそうなのが株式の銘柄を勧める証券会社が出しているニュースだった。なるほど、ニュースで儲かりそうな会社を探すことは株を買う行為に近い。で、そのニュースによると「リース業界がいい」と勧めていた。なぜマイナス金利でリース業界が儲かるのかその仕組みはよくわからないが、別に株を買うワケじゃないのでそれでいいのだ。

 そこでリース業界の会社のHPを片っ端からのぞいていった。そこに私が撮るべき写真のヒントがあるはずだ。

 大手を見ると、自社ビルに……オフィスビル群の空撮で……これはプロの方を雇ってわざわざ撮り下ろされていますね。私ごときが入る隙間がない。そうやって順に下の企業に降りていくと、土木工事車両のリース会社があった。パワーショベルとかダンプカーですか……どこで撮ればいいのでしょうか。

 早々とニュースから探ることはあきらめた。でも考え方は間違っていないと思う(たぶん)。

 次に「季節もの」だが、これはアップするときの季節のものではいけない。私が初めて写真を出したのは2月だったが、だからといってバレンタインデー狙いでチョコレートの写真をアップしても、もう遅い。岡さんによると、「2カ月くらい先のもの」ということだった。

■まさかの展開! 2日目で1枚売れた

 そこでまず選んだのは「桜」の写真だ。お花見でどれだけお金が動くのかわからないが、自分のパソコンのハードディスクの中から過去に撮った桜の写真を探し出す。こういうとき写真が趣味だと「自分のためのストックフォト」が豊富で助かる。千鳥ケ淵の桜が見つかった。だがバックのお堀でボートに乗った人たちが写っていて、等倍にして確認すると、顔がはっきりわかるのでアウトだ。違うのをようやく1枚見つけた。

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