Deep Lee, London, 2010 (C)Kenji Hirasawa 2013 平澤賢治「Portraits」より
Deep Lee, London, 2010 (C)Kenji Hirasawa 2013 平澤賢治「Portraits」より
Florian Lascombes, Paris, 2008 (C)Kenji Hirasawa 2013 平澤賢治「Portraits」より
Florian Lascombes, Paris, 2008 (C)Kenji Hirasawa 2013 平澤賢治「Portraits」より
Yasuhiro Tsuchiya, Osaka, 2010 (C)Kenji Hirasawa 2013 平澤賢治「Portraits」より
Yasuhiro Tsuchiya, Osaka, 2010 (C)Kenji Hirasawa 2013 平澤賢治「Portraits」より
Jaemin Ha, Seoul, 2009 (C)Kenji Hirasawa 2013 平澤賢治「Portraits」より
Jaemin Ha, Seoul, 2009 (C)Kenji Hirasawa 2013 平澤賢治「Portraits」より
Kenji Hirasawa(平澤賢治)写真集『Portraits』(リブロアルテ刊)
Kenji Hirasawa(平澤賢治)写真集
『Portraits』(リブロアルテ刊)

 サーモグラフィーカメラが描き出す、めずらしくも美しいポートレート作品の数々が展示されている。平澤賢治「Portraits」は、ロンドン在住の新進写真家による国内では初となる写真展だ。東京・新宿のB GALLERYで6月13日まで開催されている。

 平澤は1982年東京の生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業したのち、スタジオ勤務を経て渡英、ロンドンや東京で数々のグループ展に参加してきた。その後2011年に写真集『CELEBRITY』(Bemojake)を発表し、ロンドンのギャラリー、KK Outletでは同タイトルの個展も開催している。写真雑誌「PHOTOWORKS」(イギリス)、「GUP」(オランダ)の表紙に起用されるなど、いま注目を集めている作家だ。

 平澤は写真を通じて、「人間・命・愛」などのテーマを日々探求しているという。作風で特徴的なのは、何といってもサーモグラフィーカメラを使用していることだろう。このカメラは熱の分布によって被写体のフォルムが形づくられる。一般的なカメラはもちろん、ふだん肉眼では見ることのできない世界を写すことができるのだ。2003年から制作しているポートレート作品群は、このサーモグラフィーカメラで撮影されている。

 平澤はつぎのように語っている。

「命とは何か? と、ずっと考えてきました。科学的、哲学的、さまざまな異なる視点による理解や説明が可能です。でも、言葉にする以前から、すでに知っていたことがあります。それは、“命は美しい”ということです。私は自身のポートレート作品を、『命の肖像』とよびます」

 体温によって可視化された人物のポートレートからは、平澤が語るように、エネルギーに満ちた生命の温かさや、美しさを感じることができる。

(*関連イベントとして6月7日にアーティストトークが開催。展示と同タイトルの写真集はリブロアルテより発売中。<BEAMS T>から作品を用いたTシャツもリリース)

■平澤賢治「Portraits」
開場名:B GALLERY
開催期間:2013年5月25日~2013年6月13日
開館:11時~20時
住所:東京都新宿区新宿3-32-6 BEAMS JAPAN 6F
TEL:03-5368-7309
最寄り駅:新宿
※詳細はこちら