「まだまだ仕事もやりたいことがいっぱいだし、結婚だって全然諦めてません!」と語る。
「まだまだ仕事もやりたいことがいっぱいだし、結婚だって全然諦めてません!」と語る。

■理想の結婚相手の条件は51項目あるんです

 東京ヴォードヴィルショーを離れたのは、すごい先輩方が敷いたレールを走っていくのではなく、自分たちで自分たちの笑いを作っていこうと思ったから。WAHAHA本舗を一緒に立ち上げて苦労をともにし、一緒に年齡を重ねてきた仲間たちは、私にとって大切な宝です。

 昨年末のWAHAHA本舗の全体公演は、そんな仲間たちとの久しぶりの舞台でしたけど、創立メンバーはもう皆60代。体にガタはきているけど、お互いに最後まで倒れることなく舞台をやりきってよかったとしみじみ感じましたね。

 仲間と話す内容も「最近、足の痛みがある」と誰かが言えば、「あそこの整体師がいいよ」とか、サプリがどうとか、血圧がどうだとか、なんかもう普通に年寄りの会話になってきましたよ(笑い)。

 柴田理恵が、“おひとりさま”の私の老後を心配して「雅美の部屋を用意してあるからいつでも引っ越してきて」って言うから、遊びに行って見てみたら、なんと窓なしの四畳半。こんな部屋で暮らせるか!って(笑い)。

 もちろん、“おひとりさま”の不安がないわけじゃありません。私だって、まだまだ結婚を諦めたわけじゃないんですよ。でも、「そばにいてもらったら安心」という理由だけでは、結婚はできません。理想の結婚相手の条件は、誠実で、思いやりがあって、経済力があって、それから……、と全部挙げると51項目くらい。すべて当てはまる理想の人がいたら、すぐ結婚しますよ!

 3月からは藤原紀香さんとの初共演舞台の「毒薬と老嬢」が始まります。まだまだやりたい舞台もたくさんあるし、終活のことなんて考えている場合じゃないんです。健康には気をつけつつも生涯現役のつもりで、まだまだやりますよ!

(構成・文/山下 隆)

※「朝日脳活マガジン ハレやか」(2022年 4月号)より抜粋

ひさもと・まさみ/1958(昭和33)年生まれ、大阪府出身。劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、1984(昭和59)年に柴田理恵らと劇団「WAHAHA本舗」を結成。場を盛り上げる話術で人気を博し、「秘密のケンミンSHOW」「ヒルナンデス! 」(ともに日本テレビ系)など数多くのテレビ番組に出演。「笑っていいとも!」(フジテレビ系)では17年以上にわたりレギュラーをつとめた。人はひとりでは絶対に生きていけない、周りの人たちのおかげと考える久本さんが読者に送る、明るく生きるヒントがいっぱい詰まった一冊『みんな、本当はおひとりさま』(幻冬舎)発売中。