AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR
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AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR

4.5段分の手ブレ補正の望遠ズーム

 AF-Sの前モデルの発売が2006年末なので、やっと出たかという感じの後継モデル。全長はわずかに長くなったが、少し軽くなり700グラムの大台を切ってきた。ステッピングモーター採用でAFは俊敏。特にワイドの70ミリ側では、ピント位置まで瞬時に飛ぶ感じが心地よい。手ブレ補正効果も4.5段相当と十分で、最短撮影距離も1.5メートルから、1.2メートルに短くなっている。

 遠景の撮影では、ズーム全域で絞り開放から安心して使える画質。f11まで絞ると少し解像感が増し、f22以上になると回折の影響か絞り開放時の解像感に戻っていく感じ。ただし、極めて穏やかな変化なので使いづらさはない。ただし絞り開放時の周辺減光は「エフェクトか!?」と思うほどあからさまなので、フルサイズ機で使う場合には要注意。また、最短撮影距離付近での撮影でテレ側だと、解像感は保ちつつ甘い雰囲気の描写なので被写体は選ぶだろう。

 ボケも含めてトータルでみれば上品な描写なので個性としては悪くない。高級レンズの高い描写力といった魅力とは異なるが、何をどう撮っても汚い描写にならない安心感がこのレンズにはある。

絞り開放の周辺減光が心地よい。細かな葉っぱなど細部の描写も粗さもない。画面四隅のコントラストや解像度は落ちぎみだが、乱れた感じはない●70ミリ時・ニコン D750・AE(絞りf4.5・250分の1秒・-0.3補正)・ISO100・AWB・RAW
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絞り開放の周辺減光が心地よい。細かな葉っぱなど細部の描写も粗さもない。画面四隅のコントラストや解像度は落ちぎみだが、乱れた感じはない●70ミリ時・ニコン D750・AE(絞りf4.5・250分の1秒・-0.3補正)・ISO100・AWB・RAW
300ミリの最短撮影距離付近の絞り開放は、にじみだす一歩半手前といった繊細で上品な描写が楽しめる。軟らかなボケも含めこの描写傾向は、被写体によっては十分に武器になる●300ミリ時・ニコンD750・AE(絞りf5.6・400分の1秒・+0.3補正)・ISO100・AWB・JPEG
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300ミリの最短撮影距離付近の絞り開放は、にじみだす一歩半手前といった繊細で上品な描写が楽しめる。軟らかなボケも含めこの描写傾向は、被写体によっては十分に武器になる●300ミリ時・ニコンD750・AE(絞りf5.6・400分の1秒・+0.3補正)・ISO100・AWB・JPEG

◆まつうらやすし

●焦点距離・F値:70~300ミリ・F4.5~5.6●レンズ構成:14群18枚(EDガラス1枚)●画角:34°20′~8°10′●最短撮影距離:1.2メートル●最大撮影倍率:0.25●フィルター径:φ67ミリ●大きさ・重さ:φ80.5×146ミリ・680グラム●価格:税別9万4000円(税込実売8万5000円)●URL:http://www.nikon-image.com/