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 周囲に、あなたの時間・エネルギー・タイミングを奪う人はいないだろうか? 『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』から、理不尽で不愉快な存在との対処法を一部抜粋で解説する。

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感情が一定していることが高評価に

 人生において、心を落ち着かせて平静であることは非常に大事だ。しかし、理屈でなく、感情で動く人間は多い。あなたが冷静になろうとしても、非論理的な言い分で、感情的につめられると言い合いになり、気まずい雰囲気になってしまうこともあるだろう。特にアホとの関係において発生しがちな心配事だ。そのような場合には、どう対処すればよいのだろうか。

 まずは、「気にしない」ことにしよう。平常運転が一番だ。険悪になる必要は全くないし、異常に気を使って過去を埋め合わせようとすることもよくない。人間は「忘れる動物」だ。相手も忘れる。しかし、険悪な〝嫌い〞オーラを出し続けたり、必要以上に気を使って下手に出たりすると、忘れてもらえなくなってしまう。

 そこで、気まずくなった関係を気に病むのではなく、まずは自分の成果を出すことに集中しよう。成果を出したり、成果を出すべく奮闘したりする姿で一目置かせよう。そうすれば過去のことは忘れやすくなり、あなたの印象はさらによくなるばかりだ。

 ひょっとしたら、会社の評価を受けて、その人をコントロールできる立場にあなたの方が早くなるかもしれない。何より、仕事を頑張れば、あなた自身がその一件を早く忘れられる。あんなことをひきずっていたのはアホだったなあと思いなおすようになるだろう。

 済んだことは忘れることだ。あまりに理不尽なら不満顔になるのも仕方ないだろう。ただ、今後は「世の中は理不尽さにあふれている」と思いなおすことだ。それが当たり前という前提に立てばいい。私自身について言えば、そんな理不尽な状況は起こって当たり前と思っているから、泰然と構えている。

 海外にいると日本とは違う意味で、理不尽なことしかおきない。そんなことでいちいち感情を乱していては「頼りないやつ」「感情をコントロールできない弱い人間」の烙印をおされてしまう。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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