河合優実(写真:つのだよしお/アフロ)

演劇界でもブレーク必至

「大役だけでなく、ワンポイントで存在感を示せる稀有な女優なので、今後も映画界で引く手あまたなのは間違いない。今回、『不適切~』でコメディエンヌとしての才能も見せつけたことで、連ドラのヒロイン役やサブスクのドラマでも需要が高まるはずです。今後はどのタイミングで自分の代表作に巡り合えるか。事務所の先輩には串田和美さん、岩松了さん、長塚圭史さんら演劇界の重鎮も所属しているので、演劇界でもブレークするでしょう。大女優になる条件を兼ね備えているので、数年以内に彼女の時代が来るのはもはや決定事項と言っていいと思います」

 エンターテインメントジャーナリストの中村裕一氏は、彼女の魅力をこう分析する。

「彼女の連ドラ初主演作『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』は個人的に23年のベスト1ドラマでした。同作品では、不器用かつ時には悩みながらも目の前の家族を精いっぱい受け止め、愛し続ける主人公を好演。原作者の岸田奈美さんを投影した七実というキャラクターに、さらなる魅力と生命を吹き込んでいました。ほかにも『17歳の帝国』や『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』シーズン2など、出演するドラマで爪痕を残していますが、今回これだけ注目されるとさまざまなオファーが舞い込んでくる、いや、すでにもう殺到していると思います。飾らないナチュラルなたたずまいが持ち味だと思うので、時代性や流行とは適切に距離を取りつつ、自分を見失わず着実にキャリアを積み重ねてほしいですね」

 業界人がそろって絶賛する河合の演技と将来性。これからどんな女優に成長するのか楽しみだ。

(藤原三星)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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