「思わずトイレで泣いた」一言

過去にグランシアターで鑑賞した際の記念写真

 帰り際、再び車椅子を持ち上げてくれたスタッフに「すみません」とおわびとお礼を伝えたところ、スーツ姿の女性社員に「グランシアターは段差があって危なく、スタッフも時間があるわけではないので、今後はこのスクリーン以外で見てもらえるとお互いいい気分でいられると思うのですが……」といった旨を伝えられたのだ。

「『これまで何度も鑑賞していたのに、どうして急にダメになったんだろう?』『グランシアターでしか上映していない映画は、今後見られないっていうこと?』と、悲しくて悔しくて。思わずトイレで泣きました」

 中嶋さんはその日、一連の経緯をX上で報告した。すると、初めは映画館の対応への疑問の声も寄せられたが、次第に「どうしてもその席で見たいのなら、ヘルパーでもなんでも呼ぶのが筋」「むしろ今まで対応してくれたことに感謝する方が大切」といった中嶋さんへの批判が目立つようになった。

 翌16日、イオンシネマを運営するイオンエンターテイメントが、【弊社従業員による不適切な対応に関するお詫び】と題したリリースを発表すると、「なんであなたは謝らないの?」という中嶋さんへの攻撃的なムードが広がり、かえって炎上は激化していった。

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「障害者は家にいればいい」