ノープロモーションです。そこで約1時間。山下達郎さんは、僕の質問に全て真剣に答えてくれました。僕は「40代からしんどくなり、そこを超えると50代から新たな道が見える」と色んなところで言ってますが、達郎さんも、同じく40代からのしんどさと50代からの生き方を語ってくれました。なんか答え合わせして貰ってるような気がしました。

 そして、最後。僕はお別れの曲に、「LAST STEP」を選曲していました。それをかけようとすると、達郎さんがいきなり「ちょっと待ってください」と言って、なんと、2019年9月3日のLIVEの「LAST STEP」の音源を家からマスタリングして持ってきてくれて、なんとそれをかけてくれたんです。

 その曲を聞いて、あの日を思い出しました。2019年9月3日。「辞める」という選択肢が急に閃いた日。

 あれから、コロナ禍を経て4年たちましたが、放送作家を辞めるまで10日となった自分をその歌声が包んでくれて。

 おつかれさま・・・と言ってくれている気がして。

 そして、改めて、32年間やってきて沢山の人への感謝を思いながら曲を聞きました。

 最後の最後に、山下達郎さんにこんなサプライズをして頂き、心から感謝しています。

本人インスタグラムから

 放送作家を辞めるまであと、今日含めてあと3日。最後の最後までワクワクして終われたらいいな。

 一足お先に、このエッセイを読んで頂いた皆様、ありがとうございました。

 ライフ イズ エンターテインメント。

 放送作家 鈴木おさむ

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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