メーガンさん(写真/アフロ)

 イギリスの母の日3月10日は、キャサリン妃(42)と3人の子どもたちの写真を公開するのに、ぴったりのタイミングだった。ウィリアム皇太子(41)の撮影で、椅子に座った妃をジョージ王子(10)、シャーロット王女(8)、ルイ王子(5)が笑顔で囲むほほえましい一枚ができ上がった。

【写真】加工が認められたキャサリン妃の家族写真

 写真を発表した狙いはキャサリン妃にまつわるさまざまな臆測を打ち消し、国民に安心してもらうためだった。妃は1月に腹部の手術を受け入院、その後は自宅療養を続け、3月末日のイースター過ぎに公務に復帰すると発表した。

 しかし、国民の不安・不満は収まらない。チャールズ国王(75)が前立腺肥大やがんを公表したのに比べ、妃は病名をプライバシーとして明かさない。さらにウィリアム皇太子はギリシャ国王の追悼式を直前にキャンセルした。そのため妃の容体が急変したのではないかと緊張が走った。かなりの重症か、すでに昏睡状態か、など臆測は深刻になるばかり。それなら笑顔の写真を出して不安を一気に払拭しようという思惑だった。

「正直であることが大切」

 くだんの写真が公開されると、まずシャーロット王女の袖口が一部欠けていると指摘された。続けて妃の胸のジッパーのずれ、妃の右手のぼやけなど次々に不自然な箇所が上がり、イギリスのデイリーメール(オンライン)は、写真の16カ所を赤い丸で囲んで強調、AFPなどの通信社は「加工は許容範囲を超える」と配信を取り消した。

 これに対して妃は「正直であることが一番大切」と判断、SNSを通じて加工を認め混乱を招いたと謝罪した。

 それでもまだ背景の木の葉の色が季節に合わないなどから、「手術前の昨年11月頃に撮影されたのではないか」などの臆測がくすぶっていた。一方で、次第に「悪意に満ちた加工ではない」「多少の加工は誰でもやっている」「アマチュアの家族写真ではないか」など擁護の声も上がり始めた。

 アメリカ在住のヘンリ―王子(39)とメーガンさん(42)の反応が聞こえてきたのは、この頃だった。イギリスの「エクスプレス」(オンライン)によると、二人の関係者はメディアに、ヘンリー王子は「もしこれが自分たちの写真だったら、たたきのめされていただろう」と兄夫婦との対応の違いを強調したと話した。

 さらに、メーガンさんは「私ならこのような間違いはしない」と言い切ったそうだ。「なぜなら鋭い目と細部への並外れた注意力を持っているから」という。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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キャサリン妃の「加工写真」