チャールズ英国王「がん公表」の影響を受けるのはウィリアム皇太子といわれているが、ヘンリー王子も即座に英国行きを決めたという(写真は2022年9月撮影/アフロ)

 2月5日夜に英王室は、チャールズ国王のがんを公表した。

【写真】「ほぼ末席」に通されたヘンリー王子とメーガン妃

 国王は、前立腺肥大の手術のため3泊入院して、1月29日に退院したばかりだった。前立腺肥大の処置を受けている間に、医師団が懸念箇所を検査したところ、がんが判明した。前立腺がんではないとするものの、部位名やステージなどは明らかにしていない。今後は入院しないで、病院に通って治療を続けるという。

 国王は、早期の診断を医師団に感謝するとともに今後は表に出ての公務は控えるが、重要書類の対応などは変わらず務める。君主の病気や外遊の際に代わって国事行為を行う国務参事官は、現時点で置くことはないという。再び国民の前に姿を見せるまで、約1カ月はかかる予定だ。

 早速、バッキンガム宮殿の前には花束を持った国民が次々とやってきて、国王の早期回復を願った。スナク英首相やバイデン米大統領、トランプ前米大統領などがお見舞いのメッセージを送っている。

ヘンリー王子「英国行き」の即断

 国王の病気の影響を最も受けるのは、ウィリアム皇太子(42)だろう。キャサリン皇太子妃(42)の手術と自宅療養で、皇太子はほとんどの公務を中止、延期した。妃が自宅に戻ったことで、皇太子も7日から公務を開始する。勲章などを授ける叙任式をウィンザー城で行い、その夜はロンドン航空救急隊のためのイベントに出席の予定だ。国王の回復の程度によるが、皇太子は国務参事官よりも権限を持つ「摂政」に就くべきともいわれている。

 チャールズ国王はがんの診断を受けた後、妹弟3人と2人の息子に直接電話をかけた。米国に住むヘンリ―王子(39)は、その場でイギリスに行くと決めた。メーガンさん(42)とアーチー王子(4)とリリベット王女(2)は同行しない。

 ヘンリー王子の即断に、逆に国王の病状の深刻さを心配する声も上がっている。一方で、この機に国王とヘンリー王子が和解するよう望む声もある。王子がロンドンに滞在中の宿泊場所はどこになるのだろうか。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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