在校生に祝福の胴上げをされる東大合格者=1991年3月撮影

 各界で活躍する19人の同窓生をゲストに迎えてきた大宮エリーさんの対談連載「東大ふたり同窓会」。特別編2回目は、ゲストたちの東大受験の動機や合格のための勉強法を紹介します。

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 俳優・タレントの高田万由子さん(1994年、文学部卒)は、高校の進路相談で先生に「東大を狙いたい」と相談し、「ああ、あなたは無理よ」と言われ、一念発起。受験勉強を始めたのはなんと高校3年の10月だ。

「受験までの3カ月間をどう使うか考えました」という高田さんは、オリジナルの受験プログラムを作った。

「夜9時から12時は、宿題とかではなく、自分で作り上げたプログラムをこなしていくって決めてました。その間は、電話がかかってきても出ない、テレビも見ない、トイレにも行かない。100日間、合計300時間戦ったときに、自分は合格できるのか、できないかを実験しました」

 当時は後期試験があり、センター試験3科目と、2次試験は外国語と社会に関する小論文だった。小論文は「自分で予想問題を40、50問作って、いろいろパターンを考えてたら、そこから2問出ました」。

「目指すゴールから逆算して、今の自分とゴールとの距離を縮めていった」という高田さん。東大受験で得た「段取り力」はその後の人生にも役立っているという。

 高田さん同様、先生の言葉に奮起し、短期集中で合格したのが、歌手の加藤登紀子さん(68年、文学部卒)。高3のとき、学生運動をして成績が下がってきた時期に先生から「このままじゃ東大は無理だ」とこっぴどく言われ、「高校は受験のためにある時間ではありません」と言い返した。腹が立って東大しか受けないと決めて、勉強を始めたという。

 元首相の鳩山由紀夫さん(69年、工学部卒)は父や祖父ら5代連続で東大進学の家庭。小中学校は学習院だったが高校は受験して都立へ。

「母がいつの間にかレールの上に乗せてくれていました」(鳩山さん)

 クイズプレーヤーの伊沢拓司さん(2017年、経済学部卒)は、東大合格者数最多を誇る開成高校出身。ただ、高2の途中まではクイズ漬けの日々でそこからはクイズを断って、1日12時間勉強をしていたという。

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