俳優・佐藤二朗さん

 個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は「オヤジのサガ」について。

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 いやはや。

 諫早。

 ごめんなさいね過去コラムに全く同じ書き出しがあった気がするのですが、なんか定期的に書きたくなるのです、このダジャレ。ちなみに「諫早」は「いさはや」と読みまして、九州は長崎県の中央部に位置する市でして、長崎市、佐世保市に次ぎ長崎県で第3位、九州では第14位の人口を有する都市です。「米おこし」「スッポン料理」「ウナギ」「小長井カキ」「唐比レンコン」「伊木力みかん」などの特産品がございまして、周囲を有明海、大村湾、橘湾の3つの海に囲まれ、長崎県内の交通結節点としての役割を持っています。諫早市の皆さま、本当にありがとうございます。おかげさまでわりと字数が稼げました。担当K氏のハラワタは煮えくり返っていると思いますが、そして僕自身もなんで諫早市の情報をウィキペディアから必死に抜粋して書いてるのか忘れてしまってますが、とにかくありがとうございます。

 そうなのだ。今回のコラムの冒頭には、冒頭とも言えないくらいの尺を使った冒頭には、「オヤジ」のサガが盛り込まれているのだ。佐賀じゃないよ。ちなみに佐賀県は九州の北西部にあり、特産品としましては、やめろ。やめるんだ。担当K氏のハラワタを思いやるなら今すぐやめるんだ。まず、オヤジは「思いついたダジャレを口に出さずにはいられない」。さらにオヤジは「自分が何の話をしていたか、わりとすぐ忘れる」。ゆえにオヤジは「どんどん話が逸れる」。

 はい。この秋からNHKラジオ第一で、「佐藤二朗とオヤジの時間」という番組がレギュラー化しました。主に九州方面に頭が行っていたせいでコラム中盤でようやく本題ですが、これもオヤジのサガとしてご容赦を。

 毎回お2人のオヤジゲストをお迎えして、とことんオヤジトーク。出演者だけでなく、ディレクターも構成作家も音声のスタッフも全員オヤジ。スタジオに加齢臭立ち込める中、たった1人オヤジではない美人プロデューサーを見かけた天野ひろゆきは「目の保養だ」と言うし、石塚英彦は息を吐くようにダジャレを繰り出した上、「絵文字って動くんですか」というパワーワードを真顔で口にするし、井戸田潤は「オヤジになると、尿漏れしたときの残尿が、本尿くらいになる」と、どこをどう突っ込んでいいかさえ分からぬ発言をするし、名前は伏せるが放送作家の正岡謙一郎という人は台本に「オヤジは何を言い出すか分からないので、生ではなく、収録です。生はキケン。エロい意味じゃないよ」なんて書くし、もはや地獄絵図、もしくはパラダイスです。

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佐藤二朗

佐藤二朗

佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家、映画監督。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や映画「幼獣マメシバ」シリーズの芝二郎役など個性的な役で人気を集める。著書にツイッターの投稿をまとめた『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)などがある。96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がけ、原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)がBD&DVD発売中。また、主演映画「さがす」が公開中。

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オヤジが集まり、キャッキャとはしゃいで