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※写真はイメージです(Getty Images)

 私たちの生活に手放せないものとなったスマホ。夢中になり長時間使ってしまうのはなぜか、またハマり過ぎと感じた場合はどうすればスマホの使用時間を減らすことができるのか。アメリカのスタンフォード・オンラインハイスクールの校長で、哲学博士の星友啓氏は、人間の心理的な欲求を満たすスマホの特徴と、使用時間を減らしたいときの効果的な方法を最新科学の研究をもとに解説。同氏の新著『脳を活かすスマホ術――スタンフォード哲学博士が教える知的活用法』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集し、スマホとの理想的な付き合い方について紹介する。

【表】スマホを健康的に使うための5か条はこちら

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スマホが満たす「心の三大欲求」

 そもそも私たちはなぜ、ゲームにハマってしまったり、SNSにとことん夢中になってしまったりするのでしょうか。

 理由はずばり、ゲームやSNSなどは、私たちの「心の三大欲求」を満たしてくれるから。

 心の三大欲求とは、人とのつながり(関係性)自分が何かできるという感覚(有能感)、それから、自分の意思に従って決断している感覚(自律性)のことです。そしてスマホには、ゲームやSNS、YouTube動画など、この「心の三大欲求」を満たしうる要素が満載なのです。
 

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星友啓

星友啓

星 友啓(ほし・ともひろ) 1977年、東京生まれ。スタンフォード・オンラインハイスクール校長。哲学博士。Education; EdTechコンサルタント。2001年、東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。02年より渡米、03年、テキサスA&M大学哲学修士修了。08年、スタンフォード大学哲学博士修了後、同大学哲学部講師として論理学で教􄽃をとりながら、スタンフォード・オンラインハイスクールスタートアッププロジェクトに参加。16年より校長に就任。現職の傍ら、哲学、論理学、リーダーシップの講義活動や、米国、アジアにむけて、教育及び教育関連テクノロジー(EdTech)のコンサルティングにも取り組む。

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スマホは人間にとって悪いものではない