ボスママは保育園・幼稚園の保護者会でも役職に就いていることが多く、特別な発言力と影響力があり、その人に嫌われるとグループでの立場が大幅に悪くなる。場合によっては他のママ友から無視されたり、いじめられたりすることもある。

 人は人間関係を結んでいる相手や結ぼうとしている相手の好意を得ようとして、さまざまな働きかけをする。相手の意見に賛成したり、味方であるとアピールしたりするなど、相手の好意を得るために行うことを心理学では「取り入り」と呼ぶ。

「取り入り」の対象は権力者とは限らないが、権力者が対象に選ばれることは自然と多くなる。そうやってボスママに権力が集中していく。

 ボスママは声が大きく、反対者には容赦がない。ボスママに従う人が増えていけば、ママ友内に上下関係が生まれ、力をもったボスママに、さらに力や権限が集中することになる。ママ友内のポジションもボスママにかわいがられている人ほど高く、ボスママに嫌われたり、軽んじられたりする人ほど低い。

子どものためでもママ友の付き合いに無理はしない

 ママ友グループから離れるのはリスクが大きいのであれば、最初は少数でも気の合う仲間を見つけ、人間関係づくりに力を入れることだ。気の合う仲間がひとりでもいれば、つらいときや苦しいときも互いに励まし合って乗り越えられる。

 ただ、子どものためと思って無理をしないこと。もともと、子どもの延長線上での関係だ。子どもが大きくなれば、自然と離れていく可能性が高いからだ。

(構成 生活・文化編集部 端 香里)