恋柱・甘露寺蜜璃(画像はアニメ鬼滅の刃「刀鍛冶の里編」公式HPより)
恋柱・甘露寺蜜璃(画像はアニメ鬼滅の刃「刀鍛冶の里編」公式HPより)

【※ネタバレ注意】以下の内容には、今後放映予定のアニメ、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。

【写真】若い頃、蜜璃の「師匠」だった柱はこの人

 アニメ鬼滅の刃「刀鍛冶の里編」もいよいよ後半にさしかかり、上弦の鬼たちとの戦いもクライマックスを迎えている。スケールの大きな戦闘シーンは圧巻だが、恋柱・甘露寺蜜璃の珍しい形状の日輪刀は、特に目を引く。刀鍛冶の里の長・鉄珍の鍛刀の技がつめ込まれた刀だが、それを自在に操る蜜璃の戦闘力の高さに周囲は改めて感嘆の声を上げた。とはいえ、上弦の鬼・半天狗との戦闘は過酷を極めた。半天狗との戦闘のなかで、蜜璃の「強さ」はさらに開花するのだが、そのきっかけは炭治郎、禰豆子、玄弥たちの“ある行動”だった。

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■甘露寺蜜璃の「強さ」の秘密

 恋柱・甘露寺蜜璃は途方もなく強い。身体性という意味においては、9人いる「柱」の中でもトップクラスだろう。平均身長が今より低い「大正時代の女性」という設定にもかかわらず、19歳にして、身長167センチ、体重56キロという恵まれた体格の持ち主だ。

 霞柱・時透無一郎よりも大きく、蛇柱・伊黒小芭内と並んでみると、蜜璃の方が背も高く、体重も重い。(参照:『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』集英社)

 リボンのように不思議な形状をした日輪刀を巧みに操る剣技、柔軟性と俊敏性に富んだ体さばき、そして何よりも彼女が優れているのは「筋肉の質」だ。作者・吾峠呼世晴氏は蜜璃のことを「捌倍娘(はちばいむすめ)」と表現し、「筋肉の密度が常人の八倍ある」とコミックス14巻で明らかにしている。

■蜜璃から漏れる戦闘中の「弱音」

 こんなにも才能にあふれ、圧倒的な強さを誇る蜜璃だが、戦闘中にはときおり「柱」らしくない発言もする。

「大丈夫!? ごめんね 遅れちゃって!!」、「キャー!! 広範囲の術!! 受けきれるかしら!?」、「判断 間違えちゃっ…」(14巻)、などだ。同じ女性隊士である蟲柱・胡蝶しのぶと比べると、どことなく“素直すぎる”一面があるようにも思える。

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植朗子

植朗子

伝承文学研究者。神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート学術研究員。1977年和歌山県生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科博士課程修了。博士(学術)。著書に『鬼滅夜話』(扶桑社)、『キャラクターたちの運命論』(平凡社新書)、共著に『はじまりが見える世界の神話』(創元社)など。

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「強さ」をひた隠してにしてきた