RIKACOさん。自身が手掛ける洋服ブランド「LOVE GIVES LOVE ecru 」を着て。(写真は提供)
RIKACOさん。自身が手掛ける洋服ブランド「LOVE GIVES LOVE ecru 」を着て。(写真は提供)

13歳でモデルデビューし、ファッションアイコンとして注目を浴び、ドラマやバラエティでも活躍してきたRIKACOさん。プライベートでは、脚本・演出家の長男28歳、俳優の次男24歳と2人の息子を育て上げ、今を楽しんでいる。出産・育児、子離れと、女性にとって大きな変化があるそれぞれのステージをどう通ってきたのか、かっこいい女性の代名詞RIKACOさんに聞いた。

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――母になることは、どういう意味を持ちましたか。

 2人の息子が生まれたことは人生の一番のギフトで、子育てを大切にしたいと思えたことが自分の中の大きな変化でした。結婚して間もなく妊娠したので、母親になる準備や仕事の整理が計画的にできていませんでした。長男の妊娠がわかってすぐのころ、舞台のお稽古で腹痛に襲われて、切迫流産の可能性があると診断されたこともあり、その時受けていた仕事を全て降りたんです。迷いは一切なく、この先仕事がなくなってしまってもいい、授かった大事な命には代えられないという強い覚悟が生まれました。

 芸能界の仕事は時間が不規則なうえ、子どもから一時も離れたくなかったですし、誰かに子育てを任せる勇気もありませんでした。なので、長男が2歳になるまでは家のなかにいて、育児に専念していました。目の前にあることを無我夢中でやる日々、子どもと過ごす濃密な時間に幸せを感じて、自分の時間がほしいというストレスは不思議とありませんでした。

――育児は自分を育てるとも言われますが、なにか変化はありましたか。

 まだ息子たちが小さいときにシングルマザーになりましたが、両親が助けてくれたので、今よく言われているワンオペ育児で大変という意識はなかったんです。でも、不安がありました。教育や日々の細かなことを全て1人で判断しなければならない。自分の考え方で大丈夫かと自信を持てないこともありましたが、それでは子どもが惑わされてしまう。途中で考えをガラッと変えました。自分を信じて自分がいいと思ったことをすべきだ、とひたすら子どもたちを引っ張ってきました。シングルマザーは強くならざるを得ないんです。

 そういった思いが息子たちに伝わったのかわかりませんが、男の子として母親を守るという正義感をどこか持ってくれているように感じます。困ったときには助け合い、その関係性に常に安心感を持てる、家族に強い絆も生まれました。

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一人、涙があふれた夜