あなたご自身が「なりたい」「こうありたい」大人像を思い浮かべていただき、それぞれあてはまるかどうかお答えください
あなたご自身が「なりたい」「こうありたい」大人像を思い浮かべていただき、それぞれあてはまるかどうかお答えください

■今の70代と、30年前の70代はまったくの別もの

 意外な調査結果に、驚きの連続だった人も多いのではないでしょうか。いかに自分が、間違ったイメージを抱いていたか、改めてよく理解できたという人も多いと思います。

 しかしそもそも、いまの70代はかつての70代とくらべて、なぜ若々しいのでしょう? その理由は、大きく分けて二つあると思っています。

 一つめは「栄養状態の違い」です。

 かつて結核は、日本人の死因の第1位でした。しかし終戦を迎えてすぐに、結核患者は激減しています。いったい、どうしてなのでしょうか? 

 理由は、日本にやって来たアメリカ軍が、脱脂粉乳(スキムミルク)を配ったからだと私は考えています。脱脂粉乳には、豊富なタンパク質がふくまれています。それが、日本人の栄養状態を一気に改善させたのです。

「結核が減ったのは、BCGワクチンのおかげじゃないの?」

 そう思った人もいるかもしれません。しかし、日本人がBCGワクチンを打ち始めたのは、1950年代に入ってからです。BCGワクチンでは、終戦後すぐに結核が減った理由が説明できません。

 脱脂粉乳だけではありません。戦後になってから、肉、卵、乳製品といった食べものが、ひんぱんに食卓にのぼるようになりました。どれもタンパク質を豊富にふくんだものばかりです。

 いまの70代は、子どものころからこうしたものを食べて育っているので、栄養が行き届いていて、血管も丈夫です。それが、いまの70代の若々しさをつくっている、もっとも大きな要因です。

 街を歩いていてよく思うのですが、最近の高齢者はみんな身体が大きいと思いませんか? 私が子どものころよく見かけた、背の低いおじいさん、おばあさんはめっきりいなくなりました。

 1946年に連載が始まった「サザエさん」をみると、磯野波平は54歳、フネは50ン歳と、いまの感覚からすると、年齢よりかなり老けています。当時は栄養状態が悪く、男性でも身長160センチに満たない人が多く、老けるスピードも速かったのです。

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知的レベルの違いがもたらすもの