エンルート飛べ、未知なる空へエンルート 技術運用部 部長 錢谷彰(35)撮影/東川哲也
エンルート
飛べ、未知なる空へ

エンルート 技術運用部 部長 錢谷彰(35)
撮影/東川哲也

 アエラの連載企画「ニッポンの課長」。

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 現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。

 あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。

 今回はエンルートの「ニッポンの課長」を紹介する。

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■エンルート 技術運用部 部長 錢谷彰(35)

 あの衝撃を忘れない。6年前の3月、故郷・宮城に戻った錢谷彰=右から2人目=の眼前に広がっていたのは、瓦礫だらけの荒野。幸い実家は難を逃れたが、知人の家も思い出の海岸風景も一変していた。被災地は混乱を極め、状況の把握には時間が必要だった。

 小さなころから、ラジコン、パソコンなどさまざまなメカに魅せられた。宮城の商業高校卒業後に上京し、自動車整備士の専門学校へ。2003年、バイト先の大手家電販売店に見込まれ、そのまま入社。豊富な家電の知識を生かして楽しい日々を送っていた。だが東日本大震災で変わった。いつしか被災地に役立つ仕事を望むようになっていたのだ。

「早く詳しい情報を得る方法はないのか」

 被災地の惨状を目の当たりにしていろいろ調べるうち、当時はまだあまり知られていない無人航空機「ドローン」に行き着いた。人の立ち入りが難しい場所でも飛行でき、撮影やガス計測もできる。被災地の状況調査だけでなく、工事現場の調査や農薬散布、物流など用途は幅広い。

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