ポケモンGO ディレクター 野村達雄さん(30)/面白いものを作ったという自負はあったが、もっとゆっくり大きくなると思っていたという。「勢いには圧倒されました」。米国に在住。トンカツが大好き、と笑う(撮影/写真部・長谷川唯)*写真は一部合成 (c)2016 Niantic, Inc. (c)2016 Pokemon. (c)1995-2016 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
ポケモンGO ディレクター 野村達雄さん(30)/面白いものを作ったという自負はあったが、もっとゆっくり大きくなると思っていたという。「勢いには圧倒されました」。米国に在住。トンカツが大好き、と笑う(撮影/写真部・長谷川唯)*写真は一部合成 (c)2016 Niantic, Inc. (c)2016 Pokemon. (c)1995-2016 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
(c)2016 Niantic, Inc. (c)2016 Pokemon. (c)1995-2016 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
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 トランプ米大統領の登場で先が読めなくなってきた国際情勢。だからこそ、見えにくい事実をあぶり出す新しい地図に注目したい。AERA 2月20日号では「地図であぶり出す未来」を大特集。VR(バーチャルリアリティー)やスマホアプリで地図どんどん進化する世界や、ブラタモリなど街歩きブームの極意もルポしている。ポケモンGO開発リーダーの野村達雄さんに話を聞いた。

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 昨年、現実世界に現れたポケモンに世界中が夢中になった。社会現象まで巻き起こした「ポケモンGO」だ。このゲームを開発したリーダーが、野村達雄さん(30)。運営元の米国のITベンチャー、ナイアンティック社で開発を指揮した。

「外で遊ぶことの楽しさを再発見してもらえたんじゃないのかなと思います」

 全地球測位システム(GPS)機能を使って利用者の位置情報を割り出し、スマホの画面に映る地図上にポケモンが現れる。ポケモンに遭遇すると、現実の世界にポケモンが登場。手持ちのモンスターボールをうまく投げてゲットする。ポケモンを進化させたり、ほかのポケモンとジムで対戦させたりと遊び方は多様だ。

●発見や交流のゲーム

 これまでの「ドラゴンクエスト」のようにゲーム内に作られた架空の地図ではなく、現実の地図を使っているのが特徴だ。だから、家でプレイするより外でプレイしたほうが、楽しめる要素が多い。日本での開始当初、人気のポケモンが出現するスポットにプレーヤーが殺到、深夜でもスマホ片手に街を徘徊(はいかい)する人たちであふれた。観光客を呼び込むためポケモンGOを活用する自治体も出てきている。野村さんは言う。

「昔はみんな外で遊んでいました。それが、テレビゲームなどの普及で家から出なくなった。だけど、外には楽しいことや新しい発見がいっぱいあります。地域の面白いスポットや歴史的価値のある場所などを発見したり、見知らぬ人とコミュニケーションをしたり。そんなきっかけとなるゲームを作ろうと思いました」

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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