2014年度オリコン顧客満足度ランキング「携帯キャリア部門(スマートフォン)」のベスト3が発表された。

 オリコンCS(顧客満足度)ランキングは、世の中にあまたある企業やサービスなどの順位づけを通じてサービスの品質や信頼性を可視化することで、消費者によりよいサービス・企業を紹介するために、2006年から毎年発表されている。

 このランキングは、過去3年以内にスマートフォンを新たに購入し(機種変更含む)、今現在保有しているといった条件を満たす、全国15歳以上の男女約1万人を対象として調査したもの。調査項目は、端末商品とそのラインナップ、通信や通話の質、料金プラン、アフターケアやショップ対応、キャリアサービス(電話番号選択やオプションサービスなど)の全8項目で、各項目を10点満点で評価した後、項目ごとに回答者の重視度に応じた点数を付加し、最終的な総合得点(100点満点)を決定する。

 調査の結果、上位3位を国内3大携帯キャリアが占めた。総合第1位はソフトバンクモバイルで総合得点は63.69点を獲得。調査の項目別では「端末商品」「商品ラインナップ」「料金プラン」「キャリアサービス」の4項目で1位となった。顧客満足を考える上で重要と思われる「通話音質」「アフターケア」「ショップの対応」の3項目ではそれぞれ3位と振るわなかったが、「端末商品」「商品ラインナップ」が高得点をマークした。このため、これら3項目をカバーする形となった。

 利用者からは「料金がお手頃」「Wi-Fiスポットが多く便利」といった意見が複数みられた。また、「ソフトバンクのイメージが良い」や「ネームバリューがある」、さらには「キャラクターのお父さん犬がかわいい」といったCMの影響を受けているとみられる意見なども見受けられ、企業イメージへの好感度の高さがうかがえる。

 第2位はauで総合得点は63.48点。ソフトバンクモバイルには0.51点及ばなかったが、同社とは対照的に「ネットのつながりやすさ」「アフターケア」「ショップの対応」の3項目で1位となった。

 また、8項目の中で3位と評価されたのは「商品ラインナップ」の1項目だけで、商品、サービスともに全体的なバランスの良さが特徴的だ。利用者からも「店頭や電話の対応がスムーズ」「顧客を大事にしてくれる」「電波が安定」など、カスタマーサービスとつながりやすさへの評価が高い。

 第3位はdocomo(ドコモ)で総合得点は62.32点。1位のソフトバンクモバイルとの点差は1.37点と、わずかな差のように見えるが、項目別で1位を獲得したのは「通話音質」のみ。「端末商品」「ネットのつながりやすさ」「料金プラン」「キャリアサービス」の4項目が3位に甘んじた。しかし、利用者からのコメントは「サービスに安心感がある」「信頼できる会社」「速度、つながりやすさ、音質のどれもずば抜けている」と、大手老舗キャリアならではの一定の高い評価を得ている。

 また、性別や世代別といった属性別の満足度もそれぞれ上位3位は国内3大携帯キャリアが占めている。

 男女別では、男性はソフトバンクモバイル、女性はauがそれぞれ1位となり、2位は男性がau、女性がソフトバンクモバイル、3位は男女ともdocomoという結果に。

 世代別でみると、10代~30代までは全ての年代で1位au、2位ソフトバンクモバイル、3位docomoという結果だが、40代以上になると1位ソフトバンクモバイル、2位au、3位docomoと若干順位が異なっている。

 今回の調査では、どの項目、どの属性においてもスマートフォンの満足度はソフトバンクモバイルとauが首位を争い、docomoがそれらを追うといった状態が見えてきた。携帯電話番号はそのままで他の携帯キャリアに乗り換えるMNP(携帯電話番号ポータビリティ)による顧客転出や、iPhone対抗の失敗などで業績が低下し「一人負け」と囁かれて久しいdocomoだが、各社とも新料金プランを発表しiPhone6商戦が続いているなか、はたして巻き返すことはできるだろうか。