僕がスケートを始めたのは、ぜんそくを治すためでした(※イメージ)
僕がスケートを始めたのは、ぜんそくを治すためでした(※イメージ)
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 スピードスケートで長野五輪の金など三つのメダルを獲得した、清水宏保さん。実は、幼少期からぜんそくやアトピーを患っていた。アレルギーを持ちながらも活躍できたのはなぜなのか。清水さんはこう振り返る。

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 僕がスケートを始めたのは、ぜんそくを治すためでした。

 幼い頃から体調を崩しやすく、アトピー性皮膚炎もあり、3歳のときに発作を起こして病院でぜんそくと診断されました。父は「ぜんそくを治すには体を鍛えなければいけない」と、いろんなスポーツをやらせてくれました。その一つがスケートだったんです。発作を起こすこともありましたが、だんだん肺が鍛えられて、体調がよくなりました。

 ぜんそくの発作は、空気の通り道である気道が細くなり、息は吐けるけど吸えなくなるんです。うまく酸素が入ってこなくて、苦しくて立っていることができず、だからといって寝ると気道を圧迫して苦しい。イスにもたれかかる体勢がいちばん楽でした。発作が起きる原因は、ハウスダストやダニなどのアレルゲンや、風邪、冷たい風などのさまざまな刺激です。

 高校3年生のとき、アルベールビル五輪の出場を懸けた選考会で、レース前日に発作を起こしてしまいました。

 泊まった宿舎がホテルではなく、企業の保養所だったので掃除が行き届いていなかった。初日の夜、肺がむずむずするような感じがして「やばいぞ」と思った。そしてレースを翌日に控えた2日目の夜、寝ている途中で息苦しくなり、発作が起きてしまった。翌日は4位に終わり、オリンピック出場を逃しました。

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