自営業の小林隆さん(39)もこの3年、ミニマリストを続けてきた。酒場を放浪するのにより多くのおカネと力を注ごうと、洋服を買わない努力をしてきた。小林さんは言う。

「仕事着はユニホームのように着たい。同じものを何着か欲しいぐらい」

 そんなミニマリストたちに、お勧めの技はないか。齊藤さんはこうアドバイスする。

「スーツはネイビーかグレー。シャツは白かサックスブルー(水色)」

 たった二つ。ともにAかBの選択肢があるだけだ。

 まず、ネイビーは知的で誠実に見えるから、これを着て「浮く」場所は、お葬式以外にはない。結婚式にもいい。グレーもそれに準じる汎用性を持つ。

 タイはスーツと同じで、ネイビー、グレーのみ。加えるならブラウンで、3本あれば十分だ。

AERA 2015年10月12日号より抜粋