中学受験カウンセラー石田達人さん(65)いしだ・たつと/早稲田大学政治経済学部卒。大手銀行などを経て、現在は建設・不動産の仕事をしながら、中学受験の相談を受けている(写真:本人提供)
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中学受験カウンセラー
石田達人
さん(65)
いしだ・たつと/早稲田大学政治経済学部卒。大手銀行などを経て、現在は建設・不動産の仕事をしながら、中学受験の相談を受けている(写真:本人提供)

 子どもの中学受験にあたって重要になってくるのが塾選び。どういった基準で選べばいいのか、「中学受験カウンセラー」の石田達人さんに聞いた。

 2007年から、各塾が発表する合格者数などを親の目線で独自に分析してきた石田達人さん。データを集め始めたきっかけは、9年前の次男の中学受験だった。

 当時、塾選びで多くの親が参考にしていたのは折り込みチラシ。石田さんも、「御三家」の合格者数が華々しいチラシを見て、次男を大手塾のSAPIXに通わせた。ところが6年生になると次男は勉強についていけなくなり、個人塾へ。最終的には受験校のほとんどが不合格という苦い経験をした。

「後から考えれば、うちの子にはSAPIXでやっていける力がなかったのに、合格実績の数字だけを見て行かせてしまった。親として責任を感じました」

 開成○人、桜蔭○人という合格者の多さは、その塾に難関校受験のノウハウがあることの証しだ。しかし、わが子がその塾で力を伸ばせるかどうかは別問題。当たり前ではあるが、多くの親が陥りがちな罠でもある。子どもに合った塾を冷静に探すには、複数のデータや指標が必要なのではないか。

 銀行勤務で数字の扱いに慣れていた石田さんは、集めたデータを独自の視点で加工・分析し、ブログや本で発表しはじめた。3人の子どもがすっかり受験期を過ぎた今も、本業の傍ら「中学受験カウンセラー」として活動している。

 その石田さんに塾選びのコツを聞いた。まずは「上位3塾方式」。志望校を決め、その学校の塾別合格者数で上位3位に入る塾から選ぶという方法だ。チラシやホームページ上の合格者数を眺めているだけではわからない「全体の中での位置づけ」がはっきりする。

 例えば首都圏最難関の筑波大附駒場の場合、SAPIXが合格者数90人で1位。17人の四谷大塚、早稲田アカデミーが2位タイで続く。その三つの塾の中から、授業時間の長さや通いやすさ、教室の雰囲気などで絞り込んでいく。

AERA  2015年7月27日号より抜粋