嫌婚派は、恋愛もあくまで「待ち」の姿勢。嫌婚男子の理想の恋愛アプローチは「自分から」より「相手から」のほうが上回っている。一方、女性も8割が「相手から」「何となく」と男性のリードを期待。これは女性の年収が400万円未満でも400万円以上でもほぼ同率だった。経済的に自立している女性でも「プロポーズは男性からしてほしい」「いざとなったら男性にリードしてほしい」といった保守的な恋愛観を持っていることがうかがえた。

 調査には結婚のメリット・デメリットを自由に書いてもらった。嫌婚派の男性の意見はシビアだ。

「権利が半分になり、義務が2倍になる」(29歳)
「子どもを持つことがメリットにもデメリットにもなり得る」(30歳・会社員)
「人生に重りをつけられる」(41歳・会社員)

 社会学者の水無田気流さんは、男性の嫌婚は「自己防衛本能」からきているのではないか、とみる。昭和の亭主関白夫のようにはいかず、小遣いを切り詰められたり趣味を制限されたりと、結婚相手によっては生活の質がガクンと落ちるリスクがある。

「日本は公的な場では女性は守られていないが、私的な関係では女性のほうが守られやすい。生活相談やシェルターは圧倒的に女性向け。男性は安定した家庭を築けないと一気に生活基盤を失ってしまうから、結婚相手を選ぶことに慎重にならざるを得ないのではないか」

AERA  2015年6月22日号より抜粋