衆院選で、共産党から小選挙区に単独で立候補したのは273人。このうち20~30代が18.3%を占めた。女性候補も2割を超えた (c)朝日新聞社 @@写禁
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衆院選で、共産党から小選挙区に単独で立候補したのは273人。このうち20~30代が18.3%を占めた。女性候補も2割を超えた (c)朝日新聞社 @@写禁

 衆院選で野党が精彩を欠く中、唯一目立ったのは、あの政党の躍進だった。共産党――もはや進むのは、この道しかない。そう思う若者たちが増えている。

 先の衆院選で大勝した安倍政権。「アベノミクス解散」と銘打っていたにもかかわらず、「(政権公約で)示している政策についてご理解をいただいた」と主張する。憲法改正、原発再稼働、安全保障法制の整備…「国民の信を得た」と一方的に推し進める懸念が出てきた。

 こうした不安や批判の受け皿となったのが共産党だった。公示前に8だった議席は21に増えたが、その支持の広がりは“風”ではない。顕著になったのは2年前。党本部によると、2013年に約2万人が入党し、14年も10月末までに9874人が加わった。このうち、18〜39歳が15.5%を占める。第2次安倍政権の発足と軌を一にするように、入党者が増えているのだ。

「原発の再稼働、集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法の施行など、草の根の反対活動を一緒に行うことで、若い人たちにも共産党を知ってもらった。さまざまな分野で一致点を見いだす『一点共闘』から、お互いの信頼と理解、新しい連帯が広がっています」(植木俊雄・党広報部長)

 東京都八王子市の男子大学生(19)は14年4月、共産党に入った。福島県出身。原発再稼働に一貫して反対する姿勢に、共感した。

 衆院選を前に、支部会議で10人余りの仲間と話し合った。争点は何か、共産党への支持を広げるために何をするか──ビラを配り、友人らと政治の話をすることから始めようと決めた。

「将来、福島で教師になりたいんです。教育に関わる問題の背景に、社会の問題があると思う。問題を起こす子の親が非正規雇用だったり、生活保護を受けていたり。これを解決したい」

AERA 2014年12月29日―2015年1月5日合併号より抜粋