夫が結婚を意識するようになったのは、立ち上げた会社の仕事が煮詰まっていた10年。仕事や対人関係のストレスで、ひどい肌トラブルを発症。医者に「誰かパートナーを持ちなさい」と勧められ、何人もの女性と会ったが、家族や周囲から「彼女といる時が一番楽しそうだよ」と言われて12月に来日した。女性は彼をサイクリングに誘った。目的地は葛西臨海公園(東京都江戸川区)。彼女のお気に入りのコースだ。これが彼にとってすごく楽しい思い出になったらしい。

「自分がして楽しいことを彼にも楽しんでもらう。一緒に楽しめたら大成功。ただこの戦略は、やってみないと効果があるかどうかわからないところが賭けなんですが」

「二十数年待って良かった」としみじみ語る程、今、結婚生活が楽しいと言う。

AERA 2014年7月7日号より抜粋