日本の「お昼休みの顔」があと半年で代わる。タモリと並んで「テレフォンショッキング」に出演するのは芸能人のステータスだった(撮影/写真部・大嶋千尋)
日本の「お昼休みの顔」があと半年で代わる。タモリと並んで「テレフォンショッキング」に出演するのは芸能人のステータスだった(撮影/写真部・大嶋千尋)

 フジテレビ昼の看板番組「笑っていいとも!」が来年3月終了する。この決断の裏には、時代の変化と、フジテレビの社長交代が影響しているようだ。

 第1回放送から見ているというコラムニストのペリー荻野さん(51)は、看板コーナーである「テレフォンショッキング」の与えた衝撃をこう振り返る。

「友人から送られてきた花輪をそのまま紹介することで出演者の人間関係を見せ、楽屋トークのような話を引き出してテレビで流す。今でこそ当たり前になった手法ですが、当時としては本当に斬新でした」

 たとえ前例がなくても、面白いことをやればいい──「いいとも」は、80年代のテレビ文化を牽引したフジテレビの象徴的存在でもあった。

 だが、そんな「面白ければいい」というスタンスは次第に時代からずれていった。バラエティーは「面白さ」から「お役立ち」へと軸足を移し、今やほとんどは情報バラエティーに。「いいとも」も情報コーナーが増え、「テレフォンショッキング」はほぼ宣伝の場と化した。視聴率は1989年から24年連続で民放同時間帯1位の座を守っているが、かつては2ケタがあたりまえだった視聴率は2011年で7.3%、12年で6.5%とじわじわ低下。

 6月に「踊る大捜査線」などをヒットさせた亀山千広氏が異例の抜擢で社長に就任、視聴率向上を掲げる中で今回の「終了」が表明された。碓井広義・上智大学教授(メディア論)は、亀山新社長の起用は「いいとも」などの「懸案」番組対応の意味もあったと語る。

「トータルでフジテレビの全番組の視聴率を上げるのが目標なら、まずはダメなところを直す。それを残す余裕がフジテレビにはもうないと思います」

AERA 2013年11月4日号より抜粋